シューズメーカー丸五(まるご)様です。
いわゆる安全靴は商品の材質から異なります
つま先に固いパーツ(先芯)のあるシューズが安全靴って思われていませんか?
実は安全靴を名乗れるシューズは基準があって、JIS安全靴は見た目でまずアッパーが皮革でできているものになります。
ちなみにJIS規格の安全靴を取り扱っているのはミドリ安全、シモン、ドンケル、エンゼル、ノサックスという5社のメーカー。丸五さんは含まれていないのにご説明いただいております。ありがとございます!
ホームセンターなどでアッパーがメッシュやニットのタイプの先芯シューズを見かけるかと思うのですが、安全スニーカーやプロスニーカー、プロテクティブスニーカーと呼ばれていて、厳密には「安全靴」ではないのです。
先芯入りワークシューズの規格には主にこの2種があります。
安全靴は日本産業規格(JIS)という国家規格で認証を受けた商品になります。
(平成30年より日本工業規格(JIS)は日本産業規格(JIS)となりました。)
対してプロテクティブスニーカーは公共社団法人日本保安用品協会(JSAA)の規格に認定された商品になります。
商品を購入する際に認定品はタグがつけられているので、ぜひチェックを!
JIS基準をクリアしていないシューズは安全靴とは呼べず、JSAA規格をクリアしない先芯入りシューズは本当はプロテクティブスニーカーとは呼べないのです。
耐久性は皮革製の安全靴に軍配が上がってしまうのですが、基本性能比較試験の基準がほぼ同じ。なのでつま先の安全性はほぼ同等といえます。
JIS安全靴の規格には超重作業用【U種】、重作業【H種】、普通作業用【S種】、軽作業用【L種】の4つの基準があり、このうちS種がJSAA【A種】に、L種が【B種】に相当します。
JSAAの試験には様々な試験内容があるのですが、そのひとつに先芯とソールの間に粘土が入れられ、上からものを落としてどれくらい粘土がつぶれたかによって通過できる試験もあるそう。
また、じんわり1トンの力が加えられてた時に耐えられるのがA種。500キロまでの重量に耐えられるのがB種になるそうです。
先芯の性能だけではなく、ソールとのバランスも必要になるので着用する側としてはそういった試験を通過していることは大きな安心につながりますね。
大きな荷物を運ぶ運送業などはA種を、ピッキングなどの軽作業にはB種など、作業内容に合わせて最適なシューズをチョイスできそうです。
最後に木之下さんのJSAAの舞をお届けします!
1990年ごろ先芯入りのスニーカータイプのシューズがいろんなメーカーで作られ始めましたのですが、参入のハードルが低く、当時は安全性が保たれていない粗悪品も散見されたようです。
購入を迷ったときは基準をクリアした商品が安心ですよね。
作業靴の購入時に参考にしていただければと思います